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抽象的な波状の構造

タロットの概要と解釈事例

タロットの起源には諸説がありますが、タロットの原型が生まれたのは1450年頃の北イタリア(ミラノ)と言われています。ただ、タロットは元々は現在のような占い専用のカードとしてではなく、貴族の遊戯用カードとして扱われていました。当時のタロットカードは、非常に高価で、一枚一枚が手作りのカードでしたので、主にコレクション用、観賞用として使用されていたと思われます。タロットカードが占い用のカードとして広く使われるようになったのは1780年代後半からで、ヨーロッパで職業タロット占い師が誕生したのも、この頃だと言われています。

 

さて、私がここで御紹介するタロットカードは1909年に発売され、当時、世界中で大ヒットした「ウェイト&スミス版タロットカード(別名ライダー版タロット)」です。発売から100年以上経った現在でも世界中で最も広く使われているタロットカードです。今、多くのタロットカードが市場に流通していますが、その殆どはライダー版タロットの絵柄を基に作られたと言っても過言ではありません。即ち、標準的なタロットカードといえば、「ウェイト&スミス版タロット(ライダー版)」を指します。そして、このタロットカードの作成過程において、いくつかの逸話があります。まず、<共感覚>能力を持つパメラ・コールマン・スミスという画家に、アーサー・エドワード・ウェイトが絵を描くように指示しました。スミス氏によって78枚の絵が完成し、出来上がったタロットカードはロンドンのライダー社から発売されたのですが、大アルカナ(22枚)のカードには、かなりエドワード・ウェイト自身の思想・解釈がその絵に反映されています。一方で小アルカナ(56枚)に関しては、ウェイト氏はパメラ氏に細かな指示はせず、彼女の裁量に任せ、カードの絵を思うまま自由に描くことを容認しました。そのため、小アルカナには彼女の独創性が大きく反映されています。パメラ・コールマン・スミス氏は生涯独身で73歳で寿命を全うしたのですが、タロットカードの発売当初は、学者でもあったアーサー・エドワード・ウェイト氏ばかりにスポットが当たり、パメラ・コールマン・スミスはどちらかと言えばあまり目立たない存在でした。表向きはライダー版タロットは、ウェイト氏とスミス氏の共同作品となっていますが、安い賃金で78枚のカード全ての絵を実際に描いたのはパメラ・コールマン・スミス氏です。これは多大なる功績だと思うのです。私はそこに敬意を払い、大アルカナ同様に小アルカナの意味も重要視しています。

 

さて、タロットの構成は22枚の大アルカナと、56枚の小アルカナ合計78枚で成り立っています。タロットカードには78枚全てに、それぞれ定型的な意味とルールがあります。(正位置・逆位置を合計するとカードの意味は156以上)しかし、定型的な意味があるとはいえ、タロットの歴史を辿っていけば、占いカード以前に貴族の遊戯カードであったわけであり、又、その図像は中世ヨーロッパの文化や絵画史に色濃く影響されていますので、後世の人間によってスピリチュアル的な視点からカードに付けられた「その意味」というのは実は、あってないようなものとも解釈できます。よってカードの絵柄から浮かぶ「直感」を重視した自由な解釈も十分に許容されると私は考えています。そのため、ここでは占いの枠を離れ、図像学という学術的視点を根拠に新たにカードの意味(暗号)を実験的に解読する事はしません。なぜならば当時の時代背景や美術史、当時の娯楽、人々の認識、絵画美術の法則性なども見ていかなければ紐解けないからです。ここでは便宜上、既に与えられているタロットカードの意味を基礎としながら、「このカードが出た場合、私ならどういった解釈をするのか?」に焦点を絞り、私独自のカード解釈、発想法を混じえ、分かりやすい形でいくつか例を上げてご紹介します。但し、私が行う実際の占い鑑定ではカードだけではなく、「超感覚的知覚」「共感覚」を使いながらお客様全体を見ていきますので、ここで示すカードの解釈は、あくまでもカード単体から読み取る一つの解釈事例の一つとして捉えてもらえると幸いです。

占い鑑定師 尾関浩行

DLSP/​タロット解釈事例

「今日はどういった一日になるか?」NO,1

「今日はどういった1日になるか?」を占った場合、左から順番に上記の3枚のカードが出たとします。

 

3枚のカードの基本的な意味は、左から【棒の1/正位置】「誕生・新たな創造性」、【聖杯1/逆位置】「精神的ダメージ・感覚過敏の増大・ストレス」、【戦車/正位置】「積極的・情熱、素早い前進」となります。

 

通常、この3枚を見る時、1番右の【戦車】の大アルカナのカードを最も重視する人が多いと思います。しかし、私は大アルカナのみを重視しません。小アルカナの次になぜ、大アルカナがきたのか?を即座に考え、小アルカナも極めて重視します。ここでは大アルカナの直ぐ前に出たカードは小アルカナの【聖杯1/逆位置】です。このカードの意味は上記にも書きましたが、「精神的ダメージ・感覚過敏の増大・ストレス」です。この時点で私は、【聖杯1/逆位置】カードは【戦車】カード(大アルカナ)と非常に強い相関を持つ、と決定します。

 

そして次に見るのが一番最初に出たカード【棒1/正位置】です。即ち、全体を見た時に、まず3枚のカードの中で2枚目の【聖杯1/逆位置】と3枚目の【戦車】を〈完全セット〉として同じ重みを持たせながら同時解釈し、最初に出た【棒1/正位置】のカードは2枚のカードが出た〈動機の一つ又は状態〉として解釈します。では、3枚を並べた時、どういった解釈になるのか?ご説明します。

 

まず、①聖杯と戦車の同時解釈をします。聖杯/逆位置の意味は、(精神的ダメージ・感覚過敏の増大・ストレス)ですから、対象者が負の感情を受けると読み取ります。にも関わらず、強力な大アルカナの戦車カード(素早い前進・情熱・積極的)が出ていますので、この2枚を【過去の辛い体験をバネにして力強く行動をする】と一旦はこのように解釈します。②そして次に動機・状態の一つとして最初に出たカード、【棒1/正位置】を解釈します。このカードの意味は(誕生・新たな創造性)ですから、まだ物事を達成していない状況と読みます。あくまでも始まりであり、具体的な形となってはいない、クリエイティブではあるが現時点では極めて抽象的なもの、しかし、やる気は非常にある、と解釈します。この時、「時系列」を加味しながら解釈を深めます。このカードは3枚の内、最初に出たカードですので、「誕生=始まり」という【棒1/正位置】の意味が時系列と相まって一層強く出ている事を認めます。こういったカードの「偶然性」は絶対に見落としません。

つまり、この3枚から示唆される「今日はどういった1日になるか?」の回答は、【過去のトラウマや失敗体験から、なかなか前向きになれなかったが、今日はポテンシャルを大きく引き出す出来事や(チャンス)・現象が起こる。その時、相当テンションが高めになる。その反面、過去の体験から非常に神経質になっているため、物事を深く考え過ぎてしまい、なかなか行動に移せない気持ちは消えない。相反する二つの気持ちが同時に訪れる日となるので、このチャンスを機に、思い切って実行(不安でも行動)してみると、意外に達成感を味わえ、行動していくことの確かな手応えを感じ、「今後も継続していこう!」と思える一日となる。】と解釈します。そして、非常に重要なポイントなのが、【聖杯1/逆位置】の後にいきなり【戦車/正位置】が出てるので、負の感情から、強い積極性(プラスの感情)に一気に転換したとも読みます。この場合、-から+に転じた事を「ゆるやかな自然な展開」と読まず、「意図的な強力な展開」と解釈し、これらのカードの流れ、情報から、<激しい気分の変調がある気質を持つ人>、そして<外部からの刺激を受けやすい人><過集中の傾向がある人>と捉えます。又、やる気が、いきなり急上昇して何か計画を練るなど一つの事に思考が集中し過ぎると他のことが疎かになったり、やらなければならない普段の行いを忘れていたりする可能性もあるため、注意事項として【普段はしっかりとやっている事なのに今日に関しては見落とす可能性が極めて大きいので、普段やっている事を今日は、忘れないようにするためにメモしておくことを推奨】【今日は光や音など外部からの刺激にも特に注意】といった追加解釈もします。

「今日はどういった一日になるか?」NO,

「今日はどういった1日になるか?」を占った場合、左から順番に上記の3枚のカードが出たとします。

 

3枚のカードの基本的な意味は、左から【隠者/正位置】「熟慮・自己内省・一人で過ごす」、【剣1/逆位置】「残酷・敗北・冷酷」、【金貨9/正位置】「寵愛・美しい・裕福」となります。

 

 

この3枚を見る時、1番左の大アルカナ【隠者】のカードと2枚目の小アルカナのカード【剣1/逆位置】をセットで見ていきます。このカードの意味は【隠者】が(熟慮・自己内省・一人で過ごす)であり、【剣1/逆位置】が「残酷・敗北・冷酷」ですので、この2枚のカードで【過剰な迄に思慮深く、必要以上に自己内省。その結果、自分の欠点ばかりに意識が向いてしまい、劣等感と自己嫌悪に陥る】と一旦はこのように解釈します。そして次に、動機・状態を表す3枚目のカードに注目します。3枚目のカードは小アルカナの【金貨9/正位置】です。このカードの意味は「寵愛・美しい・裕福」ですので、物質的な豊かさと、愛情面で満たされた気持ち、美貌などを表しています。一般的には金貨9/正位置は良いカードですから、対象者は、日頃から非常に周囲から評判が良いと捉える事が出来ます。同時に、その評判の良さの延長線上から、思いもよらない「何か」の出来事が起こる可能性が高い事も読み取れます。

しかし、先程の2枚のカード内容と照らし合わせると、その内面はあまりにも乖離している事が分かります。これらの事から、対象者は【本音と建前を非常にうまく使い分ける人物】と見ることができます。つまり、内面では臆病で非常に劣等感を持ち、刺激に弱く、マイナス思考の持ち主だが、表では八方美人に振る舞い、わりと人間関係はうまく回っている状態と解釈します。但し、周りの評価を非常に気にするので評価基準が自分ではありません。「周囲はどう思うか?」を基準にして考えるため余計に苦しんでいる事が分かります。総じて自己内省型の神経質者とも言えるでしょう。つまり、過剰な迄に自分を押し殺し周りに合わせているという事です。この時点で、社会的にはヒューマンスキルが非常に高いとも解釈します。

 

では、それらを踏まえて「今日はどんな1日になるか?」といった場合、タロットカード3枚から以下のような解釈になります。

 

【周囲から好意的な言葉を掛けられる日になる。それがきっかけとなり、期待に応えようと周りと協調し、いつも以上に懸命且つ活発に動く。そして周りからさらに期待もされ、周囲の評価は上々。その信頼性から、より難易度の高い事を任せられる日にもなる。それに比例して益々複雑な人間関係に取り込まれる。いつもとは違い、午後から想定以上の事を求められる日になる。日頃の頑張りが認められ、「あっ!」と思うような物質(商品か贈り物、又はお菓子)を受け取る。総じて、「周囲の評価」は大変良い日となる一方で、非常に疲れる日にもなる。】

 

しかし、注意事項としてタロットカードでは、対象者は【本音と建前】を器用に使いわけるスキルがある反面、劣等感や自己嫌悪の気持ちもかなり強く出ており、ストレスを貯めやすい傾向があるので、【直近の事を忘れるくらいのエキサイティングな事に、週に一度は没頭する事は非常に良い】と追加解釈します。

(注)ここではタロットカードの解釈事例を書きましたが、あくまでもカードのみからの解釈となります。そして、上記の記述内容に「対象者」と書いていますが、これは便宜上、そのように書いているだけであり、架空の人物となります。又、実際の占い鑑定ではタロットカードの解釈だけはなく、お客様のオーラや色、超感覚的に私が見えた映像など様々な要素を取り入れながら総合的に判断しています。

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